「帰り送るから…おじさんに言った方がええんちゃう?」

「あっ…うん。……あのー…もう言ってきた」

「オレと一緒って?」

「奏くんと2人とは…言えなかったんやけど。……奏くん居るよって言ってきた」

「………それって…ばれたらオレまずいやん…?」




一瞬…沈黙があった。


私と奏くんの視線が合わさって……お互い同時に笑いが出る。


「プッ…アハハ……まぁ、ばれたら謝ればええんちゃう?」

「フフフッ、うん!その時は私も謝るわ」




奏くんが手際よくトレイを運んでくれて笑いながら外に出た。

5時って言ってもまだまだ太陽の位置は高い。


外に出ただけでおでこにじんわり汗が浮いてきそう…。




「新平のプレゼント決めた?」

デパートに向かいながら奏くんが聞いた。


そうだった…。
今日会ったのは新ちゃんの誕生日プレゼントを買いに行くためであって、奏くんにとっては特別な事じゃない。


何か……胸がチクってなった…?



「華凛ちゃん?」

「あっ、ごめん!新ちゃんのプレゼントな…色々考えたんやけど、私新ちゃんの好みとか一切知らないんよねー。奏くんのが詳しいかと思ったんやけど…」

「いやー……」

「………?」

「…ハハッ…知らねっ……」



あまりにも当たり前みたく言うから…、いつも人をコケさせてる私がガクッてなりそうだったよ。