「ちょっと隠し撮りするなんてひどいやん!私絶対変な顔してたわ…」

「いやいや……楽しませてもらった。だって華凛ちゃん完全に世界入ってるんやもん」



汗を拭いながら私のポテトをパクって食べる。指先についた塩を舐めながら…、

「ん?…これ……だいぶ前に買った?」



って………。







ばれてる…。











緊張して早く来過ぎたなんて恥ずかしく絶対言えない。
気合い入り過ぎって思われちゃうよ…。



「違うねん…なんかそのポテト作り置きっぽかったから…私もさっき来た所で……」

奏くんの視線が痛くて顔を上げられない。

本当はドキドキして眠れなかった事…、どうかばれませんように…。




「ふーん……そうなんや…。オレとのデート…めっちゃ緊張してたんや……」

「……へ?」

「…ククッ……早く来たんちゃうの?……当たり?」

「ちゃ…ちっ…違うねん!……いや、違くないけど…でもそんなんと違う!!」


からかうように顔を覗き込まれて、さらに熱くなった。

詠まれてる…っていうか何で知ってるの?
奏くんってエスパー?


「そんなに否定されると傷つくわ…」

窓の外に目をやって悲しそうな顔をした。

絶対私が困るのわかっててやってるよ、この人。


だんだん奏くんの性格わかってきたもんね。

私を困らすのが好きな人……。