何度も…何度でも君に恋をする

私本当はこんなに泣き虫じゃないよ…。

人前で泣く事だって滅多にないのに。



奏くんの前ではどうしてこんなに涙が出るんだろう。
悲しいだけじゃない…。

何だか心が緩んじゃうんだ。





「…華凛ちゃんは泣き虫さんやねー……」

「…ウッ……ヒック……」

「…でも……めっちゃお父さん想いのええ子やん…」

「…うー……っく……」

「オレ……一緒にホテルまで行ってもええ…?」



ボロボロの顔を覗き込まれてびっくりした。

返事をしない私の涙を拭いてくれて、「ええよな?」って言いながらポンって1回だけ頭を叩く。



「行こ…」

奏くんに言われるままベンチを立たされて公園の出口に向かった。


誘導するためか安心させるためか…。
私の右手を奏くんの大きな手が包み込むように繋いでる。




ドキドキして……自分の指に力を入れる。


少しだけ顔を傾けて私を見た。

泣きそうになる位優しく笑うから……、奏くんより半歩下がって歩くしか出来ない。



私の事なのに…。

どうしてそんな一生懸命になってくれるの…?





奏くんの後をドキドキしながら歩いてると…見覚えある景色が見えてきた。

ホテルの前にはタクシーやら高級そうな車。
私が逃げ出した回転扉をたくさんの人が行き来してる。


どうしていいかわからなくて奏くんの左手に力を込めたら、

「…大丈夫……」


…そう言って、私の手をグッと繋ぎなおした。