「はぁ、はぁ……はぁ、はぁ………」



息が弾んで肩が上下した。


立ち止まった瞬間こめかみにドクドク血液が流れるのを感じる。

荒い息と額に流れる汗がどれだけ夢中で走ってきたのかを物語ってた。




「…っはぁ、はぁ………ここ……どこ………?」



しゃがみ込んだ目の前には大きな木があった。
周りをぐるっと囲むように色んな場所に木が植わってる。


……公園…?







通りの向こう側に自動販売機を見つけてそこまで歩いた。

慣れないヒールで走ったから小指が擦れて赤くなってる。



「…もう……最低……」


痛む足を引きずりながら何とか自動販売機まで辿り着いた。

出てきたお茶を首元に当てると、ひんやり冷たい水滴が垂れてきて熱い体を冷ましてく。





お父さん……放ってきちゃった……。

でもどうすれば良かったのかわからなくて。
あの状態のまじゃいられなかったんだ。


頭を冷やす為にさっきの公園で休もうと歩いて戻った。













「…あれ?……こんな所で何やってんねん…」



振り返ったら目をぱちくりさせて私を見下ろす人がいた。

こんな場所に居るはずがない…って顔でこっちを見てる。


びっくりした顔したのに……、その瞳はすぐに心配した顔に変わった。