「フフッ…一体この子は何で悩んでんねん!悩みたくないならオレが決めたってもええよ」

「ええー?そんなん私の選択授業にならんやん!無理無理!!」

「ハハハハハハッ!!さすが!今回は騙されなかったんや」

「そうそう騙されますかー…猿も学習するねん」



大きい声で笑う奏くん。
仲良しな人の前では気を許したように笑ってくれる。

こんな姿見てると私の事もその1人として見てくれてるんだなー…ってわかって、ホッとする…。














……あれ……?





今何かが頭の中をかすめた。

重要でいて…忘れちゃいけないような……。







「そういや夏休み中に新平の誕生日あんねんけどなー。何かしてやるかな…」


奏くんの言葉にハッとして顔を上げた。


「新ちゃん誕生日いつなん?」

「8月6日……ハムの日!」

「フフッ、何やその覚え方ー!…でもそっか……プレゼント何がええかな…考えつかんなー……」



男の子にプレゼントあげたのなんて小学生の時にクリスマス会でやるプレゼント交換が最後。

それ以来あげた記憶なんてないから何をあげたらいいかわからなかった。


頭の中で新ちゃんに合う物リストをあげていた。






「……じゃあ…一緒に買いに行く……?」






さらっと……。

今さらっと大胆な事言ったよね…?



奏くんと2人で行くって事…?

そんなの普通に……






「…オレとデートしようか……」






口説き文句だよ……。