「本当に何でもないねん!華凛ってば気にしすぎー!」


あれから何日か経った日の食堂への移動中…、美桜と廊下を歩きながら思い切って聞いてみた。



“本当は何かあるんじゃないか…。
言えないような辛い気持ちを抱えてるのか…”



でも…、私の予想に反してケラケラ笑う美桜の声。
あまりに大きな声だったから周りから余計な注目を浴びた。


「もうっ、華凛が笑わせるからやん!!」


そんなに笑わせる事だったのかな…?
何かを隠すために笑ってるだけなんじゃ…?


でもどちらにしても、まだ美桜は言いたくないのかも。

信じてあげるのが友達…って新ちゃん言ってたよね。


本当は気になるよ?
奏くんと美桜の間に何があったのか…。

でも話してくれるまで待とう。今の私に出来る事はそれだけしかない。


「…そっか、私って考え過ぎな所あるから気にし過ぎやね」



喉まで出かかった言葉をグッと飲み込んで、見えない彼女の傷に蓋をした…。