パタンってドアを閉めてベッドに倒れ込んだ。

どこの関節にも力が入らなくて、立つ事すら出来ない。



お父さんの笑った顔…。

あんなふうに笑う顔…初めて見たかも。


私の知ってるお父さんはビシッとスーツ着ていつもかっこよくて、でも帰ってくるとスウェットにTシャツ着たりする…、ちょっとだらし無い所もある。

そんなお父さんが自慢だった。








私のお父さんがいなくなっちゃうのかな。


「……フフッ…私って意外にファザコンやったんやー……」



夏休みが始まったら紹介されるお父さんの恋人。

結婚を前提にお付き合いしてるみたいだからもうお義母さんになるのかな…。




「はぁぁあぁあーー!もうっ…、今から悩んでどうすんねん」


お母さんの映った写真立てを抱きしめてベッドの上で丸くなった。



このまま…時間がゆっくり動けばいいのに。











静かに閉じた瞼の向こう側、夏はすぐそこまで来ていた……。