カシャンって音がして上を向いたら、選ばれなかったCD達が棚に置かれた音だった。


新ちゃんの瞳は……、真っ直ぐに私を見てる。



責めるでもなく怒るんでもない瞳に。

自然と鼻の奥が痛くなった。



「…私だって……聞ける事なら聞いてる……でも美桜は…踏み込んでほしくないって思ってるかもしれないやん……」

「…………」

「そう思ったら…いつの間にか聞く機会逃してんねんもん……急に…距離感じたんやもん」


泣きそうになるのを堪えながら話した。

油断したら涙が出ちゃいそうで…、でも私が悪いのわかってるから。


泣きたくなかった。











――ブニッ――


バスケットをやるには細い指。
新ちゃんの…羨ましい位長い指が伸びてきて、私の頬っぺたを引っ張る。


「美桜は…お前が聞けば話してくれるに決まってるやん。…もっと信じたれよ、友達の事!」

「……うっ……うー………」







思いがけない優しい言葉に我慢してた涙が出た。

新ちゃんは何も言わず……。ポンポンって頭を叩くだけ。




それは…

奏くんがしてくれるポンポンに……似てる気がした。