あれから嫌々ながらも食堂に行く回数が増えた。

初めの頃は逃げたりしてたけど、新平くんが教室まで迎えに来るもんだから…。


「あの人坂口くんやん?めっちゃかっこええー!華凛ちゃん付き合ってんの?」

…なんて……。クラスメイトに勘違いされるし。


それより…わかってたつもりだけど新平くんを筆頭にあの4人はモテるらしい…。

新平くんは先輩に人気があって諒一くんは先輩、同学年から幅広く。
大地くんも優しいからモテるけど、小春ちゃんっていう彼女が出来てからは望み薄になったのかあまり騒がれなくなったかも…。

奏くんは……



「かーりーんちゃんっ!!」

ロッカーから教科書を出してる時、頬っぺたに冷たい感触が走った。

振り返ったら奏くんがいてパックのジュースを押し付けてる。


「ひょぇっ!冷たー!」

「ククッ…ん、これ約束のジュース」



この間約束したパックのジュース。
あれから何も言ってこないから私から言うのも何だし…。そのままにしていた。

覚えてたんだ。


「あー、あんなん冗談やん。…でもありがとう……いただきます」

「うん、オレもすっかり忘れてたんやけど…ハハハッ!」

「………そんな事やと思ったわ…」






「あっ…本郷くんやー…」
「華凛ちゃんって仲ええよな…」
「ええなー!」



女の子にしか聞こえない内緒話…。
私のクラスの子とか廊下を歩く女子の羨ましいって視線が痛い位に突き刺さる。



「相変わらずモテモテやんね…」

「…ん?何?」

「んー……何でもない」