「もう恥ずかしくて学食行かれへん…」


小春ちゃんの隣で大袈裟な位ため息を吐いた。
カナミは「飴ちゃん食べる?」なんて呑気な事言ってるし…。

トントン肩を叩く小春ちゃんについて渡り廊下を歩き始めた時、


「華凛ちゃんごめんって!どうやったら許してくれますか…?」


まだクスクス言ってる奏くんが必死で笑いを噛み殺しながら覗いてきた。

身長180センチはある彼は157センチの私と喋る時腰を屈める。
それが彼の優しさであり無意識なのはわかってる…。


でも…あまりにも近すぎる距離に私の心臓はドキドキしてしまう。
男の子に免役がないのをわかってやってるのか…。

奏くんの方こそ、なかなかの天然っぷりだと思う。



「……じゃあ…何か奢って…パックのジュースがええな」

「…うん、ハハッ…ええよ!」




奏くんが笑うから…許してあげてもいいかなーって気になるよ。

そんな笑顔向けられたら女の子は嬉しくなっちゃうよね。


「おーい華凛、明日も食堂来るんやでー!」



後ろの方でゲラゲラ笑う新平くんを無視して教室まで早足で帰った。




あの悪魔には要注意……





私の危険電波が警告してきた。