「ちょ、ちょ、2人共どうしたん?喧嘩はあかんって!」

「だーかーらー、それでええねんなって聞いてんねん」


ただでさえ迫力のある新平くんの顔にこの言葉…。

私は側でおろおろするしか出来なくて奏くんを見た。


「…何やねん新平……」

「はっ?そっちこそ何やねん」

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょーーー!!!喧嘩はあかんって!」





私の大きな声で辺りがシーンと静まり返った。
前の方で食べてた先生が気付いたのかペタペタ歩いてきてる。

「何やー?喧嘩してるんかー?」


いかにも体育教師って感じの先生が口につまようじを加えながら聞いてきた。



「違います!喧嘩やないです!!あの、何て言うか…もっ、揉め事です!」

「………」

「………」

「…あのなぁ、それを喧嘩って言うんやないんか?」


先生の最高のツッコミが入って周りが爆笑し始めた。


「…ブッ、ダーッハッハッハッハッ!!あかん、やっぱり奏の言う通り華凛は天然っ子ちゃんやー!」

「だから言うたやん!ブフッ…アハハ、ほんまにオレのツボやねんから!!」

「華凛…ククッ…ずーっと小さい頃から見てきてるあたしが言うんやから間違いないんやって!華凛は天然やねんってば!」