「1人ならせっかく会ったんやし一緒に回らへん?」

「あの…美桜……「こんにちは!」」



私達の会話を破るように入ってきた……琴美さん…。


いきなり挨拶された美桜は目がキョロキョロしてる。

空気が読めてるのか読めてないのか…、そんな事はお構いなしで話し始めた。



「華凛ちゃんの友達なん?すっごい綺麗な子やねー」

「…華凛の……知り合い…?」

「うん…、あの………」

「あたし華凛ちゃんの親戚やねん」



突然の琴美さんの言葉。



……やっぱり…、琴美さんは空気を読んでる。

私がどうしていいかわからない事わかってる。


「そうなんやー。じゃあ一緒に買い物するのは今度にしよっ」

「うっ、うん。ごめんな…」


小さく手を振って、琴美さんにはお辞儀をして。

歩いていく美桜の後ろ姿を見送った。



「華凛ちゃんごめんな!勝手に親戚なんて言って…、余計な事した…?」


申し訳なさそうに手を合わせられた。

でも、琴美さんの機転の早さに本当…感謝してる。

私が奏くん以外に話してないの知らないのにね。


「めっちゃ助かったぁ。琴美さんありがとう。…うちの事情は奏くん…あの、ホテルに一緒に来てくれた男の子いたやん?彼以外知らないねん……」

「誰にも言ってへんの?」


一瞬……、琴美さんが悲しそうな顔をした。