ギシッてベッドが軋む音がしたと思ったら私の布団が沈む感覚…。


「こら……」

「……………」

「おーい、華凛ちゃん…」

「……………」

「返事しないんやな…。オレが勝手に布団めくってもええねんな…?」


そう言ったかと思ったら本当に奏くんの腕が伸びてきた。

頭まで被ってた布団をはがされそうになって必死で抵抗したけど……





「いやっ…引っ張るなんて反則やー!」

「うーるさい!いつまでも隠れてるからやん!」


顔を見られないように一生懸命引っ張った。

引っ張ったけど…、私が奏くんの力に敵うはずなくて。


強引に見られた顔は……、絶対…奏くんが好きって顔に出ちゃってたよ。

絶対、絶対…。口に出さなくても表情で好きって言っちゃってた…。



「…ハハッ……、…何赤い顔してんねん……」


気づいてないのか気づかないふりなのか。

奏くんは笑いながら窓際に歩いて行った。


眩しそうに外を見ながら目を細めてる。









私には…、あの瞳の先にいる人物が誰かわかる…。



だってあんなに愛おしそうに見つめる相手。

私が願っちゃいけない瞳の先。



ねぇ……、彼が近くて……とっても遠いよ。