「ど…して…そんな事聞くん…?」



嫌悪とかそんなんじゃない。
何故かマイカとミサは私の事を心配するような瞳で見つめてきた。


「うーん…華凛ちゃんが知らないんやったら可哀相やなって思ってん」

「あの子な…高橋さん、男の人を好きにならせるのが上手いねん。だからもし華凛ちゃんに好きな人がおるんやったら……紹介しない方がええよ…」



好きな人…。












一瞬…、入学式の日に泣いていた彼を思い出した。

あんなのすっかり忘れてたのに。なんで“好きな人”なんてフレーズで思い出したんだろう。


「華凛ちゃん?…もしかしてもう紹介しちゃったん?」


マイカが顔の前で手を動かして私の表情を伺ってる。

また得意のトリップしてたみたいで2人の話しに返事をしてなかった。



「やっぱり手遅れやった?ごめんなー…」

「ちっ、違うねん!そんなん違うねん!!…美桜は…そんな子ちゃうよ?」

「でもなー…」

「美桜は…自分の事好きにさせようなんて考えたりしてないと思うねん。言い方悪く聞こえるかもしれんけど、多分男の子が好きになっちゃうだけやねん」

「………」

「…話してみてあげて…?めっちゃ良い子やから…」