だからこそ男を寄せつけないために、香水を渡した。

同じ学校じゃねーから、せめて。


風呂からでてきたひなは、色っぽくて、潤んだ黒い瞳に俺が移った。

だんだん綺麗になっていくひな。

焦ってる。

いつ男ができるか分からない。


俺が…”お兄ちゃん”じゃなければよかった。

お兄ちゃんが嫌いだ。
いつまでこのポジションなのだろうか。

「はやとっ」

ひなは俺の名前を呼ぶと、照れ臭そうに笑った。