甘きゅん【完】

「…っ…
あ…
あんたっ…
何しにきたのよ―っ!!」


この、いじめられる…というか、いたぶられる雰囲気に耐えられなくて、わざと大きな声をだしたあたしに、


「べーつに?
撮影で休んだ今日の授業のノート。
見せてもらおうと思って。
お隣のお家の柚月ちゃんに」


颯斗はそう言いながら、あたしの腕の中かららくだのぬいぐるみを取り上げ、あたしの注意を十分惹きつけてから――…


「なぁ?」


“ちゅっ”…と。


あたしの腕の中から取り上げたらくだのぬいぐるみにキスをした。