甘きゅん【完】

だって実際に、ぎゅーっと抱き締めて、ちゅーっとキスしてるところを見られたんだから。


颯斗に見立てた、そのらくだのぬいぐるみを!


なんたる不覚!


あーもー!
最悪っ!!


あんなシーンを、よりにもよって、颯斗本人に見られるなんて。


うう―っ…
颯斗。
鶴がはた織ってるところは、のぞいちゃいけないんだぞぉぉ!


ぎゅっと目をつぶって、ぎゅぅぅっと唇をかみ締めて俯くあたしに、


「柚月のへ・ん・た・い・☆」


わざと耳元で、楽しそうに囁く颯斗。


「でも、ざぁんねん。
全然感触は違うよ?」