甘きゅん【完】

だって――…


「図星だろ」


そう、その通り。
“図星”ってやつだから。


その上――…


「あーあ、柚月。
やーらし」


あたしの腕の中に、らくだのぬいぐるみをズボっとさしこみながら


「俺がこの前撮影で行ったドバイで。
おみやげに買ってきてやったこのらくだのぬいぐるみに。
おまえ、キスとかしまくってんだろ?」


颯斗は、ついでにあたしの顔ものぞきこむ。


「さっきみたいに?
俺のこと想像しながら」


ニヤリと言われたその言葉に、反撃なんかできるはずもない。