甘きゅん【完】

こんなこと。


恥ずかしすぎて、繭ちゃんや美波ちゃん、雪奈ちゃんにも相談できなくて。


ただ、翼くんのいるクラスの空気と。


授業中、後ろの席から、誰にも気づかれずに見つめられるその背中だけに…


――満足しようとしていた。


こんなあたしだから…


女の子とだって、うまくおしゃべりできないあたしだから…


翼くんとなんて、一生かかっても、おしゃべりなんか…


絶対、できない。


――諦めようとしていた。