甘きゅん【完】

こ…こ…こいつ…


「に…に…二重人格!?」


震える指で九条くんを指差したあたしに、


「君には口の利き方からしつけなきゃいけないのか?」


やれやれといったように、九条くんはあたしの手をつかんで、ダン!と廊下の壁に押し付け、


「返事は、“はい、伊吹様、だろ?」


色素の薄い瞳にあたしが映るくらい間近で、


「ほら、言ってみろよ」


命令的な口調とは裏腹に、熱っぽく囁いた。