甘きゅん【完】

まさかの、キス寸止め。


颯斗の毛先を遊ばせた、ちょっと茶色のねこっ毛とか。


男の子にしては長いまつげとか。


きゅっと高い鼻筋とか。


つるっつるの綺麗な肌とか。


こんなに
こんなに
近くにあるのに――…


下唇のほうがわずかに厚い、でも全体的には薄めの綺麗な形をした唇には、一瞬たりとも触れることなんてできなくて。


「おまえ、本当に俺のこと、大好きなんだなぁ?」


痛い子を。
かわいそうな子を見るような颯斗の瞳に、自分がどれだけ期待していたか、思い知らされた。