甘きゅん【完】

「な…な…な…
颯斗…」


颯斗の行動に、のけぞりながら驚くあたしを楽しそうに見てから、


「間接キ―っス」


そう言って、颯斗はそのぬいぐるみをあたしの唇にぶちゅっとつけた。


「やばくね?
超レアだし?」


そう言ってあたしを見下ろす瞳は、とても中3には見えないほど色っぽくて。


「柚月ちゃん、超ラッキー☆」


首を横に傾けて、ちょっとバカにしたようなその声も。


さっき見とれた――…
あの画面の中の唇から出たものだと思えば――…