「君マジで高校生!?見えないんだけど!!大人っぽくない??」
「もし良かったら今からカラオケ行かない??」

ナンパらしき金髪2人組にいきなり話し掛けられてしまってどうしたら良いか分からなくてとりあえずあたりをキョロキョロして目線を泳がせていた。
「いいじゃん!!行こうよ!!!」
1人に腕を掴まれて引っ張られそうになった時―――

「俺の彼女に手出さないでくれますか?」

いきなり後から肩を抱かれ、びっくりしていると聞き覚えがあるような声がした。
「チッ…男いたのかよ」
「行こうぜ」
金髪2人組はあたしの腕を放すとどこかに去っていった。

「お前なぁ…なんでこんな所にいんの?」
肩から腕を下ろすと呆れたような声がした。でも、……誰なのかあたしはまだ分かっていない。
第一、ここは普通のゲーセンだし変な所じゃないから言われる筋合いはないはずだけど…

「……」
無言なあたしに助けてくれた人はため息混じりで言った。
「もしかして柚芽、俺が誰か分かってない?」
そう言われて初めて顔を見ると…
「えっ!?なんで先生がいるの!?」
そこには高校の担任の沢村孝太郎先生がいた。ちなみに24歳で物理を教えている…はず?疑問型なのはあたしがサボり魔だから。