「勝手に人の女と喋ってんじゃねぇぞ、ぶっ潰すぞ」

犬の唸り声が聞こえてきそうな勢いだ。

「お前、こいつの女なのか?」

松橋の顔は真っ赤で何て言ったらいいのかわからず俯いた。

すぐに言わない松橋に伊崎は苛つき舌打ちをする。

「そうか」

二人のやり取りを見て何を解釈したのかわからない。

「お前、俺が貰う」

松橋は目を見開いた。
唇がつかないかつくかの数センチに男が目の前に映っていた。