「生きてるか?」

恐る恐る、血まみれの男の人に声をかけていた。

きっと喧嘩で負けたのだろうか。誰もが見てみぬ振りをしていて可哀想になり声をかけた。

「…………へいき」

「そうか」

持っていた水をハンカチに濡らして血を拭いてやる。

「余計な事してんじゃねぇ」

「痛々しくて見てらんねぇんだよ!ジッとしとけ!!」

先程の声音と全く違ったのか血まみれの男は顔をあげた。