♀桜華×白蓮♂【完】



「ぇ」


声が掠れて音になったのかも分からない


あたしの前でジッとあたしを見つめるその視線の持ち主は


紛れも無く





あたしの初恋の人で





あたしの人生を闇に包み込んだ人だった








この光景が、今あたしが見ている映像が、嘘だと言って


夢だったんだよって言ってよ









でもね、分かってるんだ


これは嘘なんかじゃない

夢でもない



隠しようの無い現実で

眼の背けようの無い事実なんだって






だって見間違える訳無いもの