隣町の彼は、


ザザーッ


風が勢いよく吹き、桜の葉を鳴らす。

太陽の日差しは、流れる雲によって見え隠れする。


サッカー部に目をやると、試合はとっくに終わり、ミーティングをしていた。

風が砂埃を発生させる。


桜の葉は散る。



…。



沈黙はどれ位たったのだろうか。

一向に言葉を発しはしない私と彼。


何故かこの沈黙のせいで冷や汗が流れる私。


重い空気が流れる。





「……あんさ」

先に口を開き沈黙を破ったのは彼だった。


「良太と何があったか知らないけどよ…早く仲直りっぽいのしろよ?」



今、彼がどんな表情をしてるかなんてわからない。

もしかしたら、怒ってるかもしれない。

もしかしたら、無表情かもしれない。

もしかしたら、呆れ顔かもしれない。



だけど、だけど…


今きっと、優しく笑ってくれていると思う。

だって、クシャッて昔みたいに頭、撫でてくれているから。