隣町の彼は、



「…ねぇ、宙」


良太が話しかけてきた。

歩きだして、5分経った頃だろうか。


「何?」


「今度さ、俺達と和達でダブルデーとしない?この前抽選で当たっちゃったんだよね、4人分の遊園地のチケット」


そう言ってチケットの入った袋を見せた。

だから私は笑って言った。


「行こう」


って。


本当は死んでも行きたくなんかない。

2人で行った方がまし。



馬鹿だ、やっぱり私って。

断ればいいのにさ…。

自虐行為なのに…ね。



いっそ、叶わぬ恋より、楽な恋のが良いのかな~…。
なんて思う。

和達を見たら。
毎回。



「…どうした?」




ひょこっと顔をのぞかせ心配そうにする良太。

きっと今、気持が顔に出ちゃったのかな。



「…なんでもないよ?ホント」