「とりあえず噛み痕で我慢するから」


そう言ってガプリと。


突然に耳を噛まれたのは、ついさっきの事。



その前に、お揃いのピアス穴を開けてあげると言われて、断ったのは俺だ。


……当たり前だよ。


彼は自分にどれだけ穴が開いていると思ってるんだ。

それと同じ数だなんて、無理。
痛そうだし。


だから断ると、じゃあ。と言って噛み付いた。

耳の縁に並ぶ、自分の穴と同じ位置に。



そしてひたすら、歯が食い込む。