「……痛いんだけど」 「そりゃ、噛んでるからねー」 楽しそうに、俺の耳に息を吹きかける。 「むず痒い!」 「あはっ、素直になれよー」 「十分素直だから!」 そんなやり取りをしてから、 再び彼の歯が俺の耳たぶに食い込む。 いくつも開けられた自分のピアスと同じにしたいと、噛み続ける。 だけれど加減はされているから、穴は開かない。