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『…アデル……
お前は何故こんな……』
男はアデルと呼ばれた男に向かって血だらけの手を伸ばす。
『父さん…僕は手に入れたんだよ…』
アデルは両手を広げて不気味に笑う。
『…何をっ…ゴホッ…』
―ビシャッ
父親が吐いた血が地面に飛び散る。
『力だよ!!!!!
全能でこの世で絶対的な力!!』
狂ったように叫ぶアデルを父親は悲しげに見つめる。
『すまない…アデル…。
こんなつもりじゃなかった…
お前にはその病に負けず強くなって欲しかっただけなんだ…』
病を持つ息子…
その病に負けないくらいの精神を育てるつもりだった。
『優秀だって言われてたオルデももういないよ!!
僕が一番だよ!!!』
弟のオルデ…
優秀だった弟に病弱な兄…
そのプレッシャーが兄のアデルを苦しめ追い詰めた…
『…すまないアデル…。
すまないオルデ……』
ただただ父親は涙ながらに二人の掛け替えのない息子達に謝る。


