「…話が無いなら僕はこれで失礼するよ。」
あたし達に向かってアデルという男が歩いてきた。
無意識に息を止める。
威圧感…
胸が苦しい…この胸騒ぎは…
「ん…?
見慣れないお嬢さんだね。
金髪、碧眼…
まるで聖女のようだ…」
―ドクンッ
心臓が嫌な音を立て跳ねる。
見透かされてるみたい…
本能が危険だと訴える。
「…離れろ…」
目の前にルークの背中がある。見上げればアデルと私の間にルークが立っていた。
「…何?
僕は今彼女と話してるんだ。どいてよ…」
アデルの瞳が鋭くなる。そのままルークを睨みつけた。
「無理な相談だな…
…セシル、下がれ」
ルークは私の肩を軽く押す。私は言われるままに一歩下がった。


