激しい爆風と騒音の中で、リドムが私に手を伸ばす。
十字架に括り付けられたまま手を差し出す事も出来ずただ見つめた。
知らず知らずに視界がぼやけ、頬に何かが伝うのが分かる。
それが涙だと気付いた時には、リドムの姿は無かった。
「…リ…ドム……」
悲しい…私は悲しいんだ…
リドムが本当は優しい事、私を今でも自分の子供のように思ってくれていた事…
だからこそリドムが聖女と私を呼ぶ度に胸が痛んだ。
いつしかリドムから目を逸らし、私も聖女としてリドムに接していた…
「…今更…
今更気づくなんて…」
リドム…
あなたがセシルと呼びさえしなければ…
こんなに胸が痛む事も無かったのに…


