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『可哀相に………』
鏡の中の二人のセシルは涙を流す。
『こんなに悲しい感情を見たのは久しぶりだわ』
『清らかだからこそずっと隠し続けてきたのね…』
もともと鏡に宿る悪魔だった彼等に感情はなかった。
ただ、いくつもの感情を映し出すうちに彼等は感情を手に入れた。
感情を持つ悪魔は彼等以外には存在しないだろう。
彼等は聖女という清らかな存在に触れ、悲しみを感じた。
美しい中に陰りがあり、それが清らか故に存在すると知ったからだ。
『辛かっただろうに…
彼女の辿ってきた道は悲しく酷なモノだったのだろうな』
『それでも彼女は美しい…
その清らかさを失わない』
二人は意識を失ったセシルに優しく触れる。


