†導かれる聖女†



『彼が私に何をくれた?
私は命を救った。見返りに何を貰った?
損をするのはいつも私』

『その想いもきっと偽物なんだよ。彼がたまたま私に身近だっただけ』



二人の声は耳を塞いでも途絶える事無く響く。


「偽…物……?」


今感じているこの切なさも、愛しさも…


…偽物だというの?


『だって…私はあの人を憎んでいるもの』


「憎む…?」


憎んでいるの?
どうして…私はあの人を愛してるのに…


『愛してくれないから…
私じゃない誰かを想っているから…憎い………』



あぁ…そうだ……
私は…ずっと憎かった。


愛して…愛して欲しい…



「あなたが…憎い……」


そこで私の意識はプツリと途絶えた。