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ルシアール地方の都、アイランドから数キロ離れた所に位置するルシアール地方最南端。
緑と風の森…カタルシアの森



「カタルシアの森は霧が多いからな。夜になる前に町につかないと…」


ティアネイの言葉にルークは眉間にシワを寄せた。


「これだけ歩いて何故町が見えない。どういう事だ…」


ルークは無表情にティアネイの胸倉を掴んだ。


「すぐ暴力に走るな!!
お前は猛獣か?」


ティアネイはルークの腕を掴み怒りを含んだ笑みを向ける。


「二人共…………
早く行かないと霧が…」


霧が濃くなると言おうとして私は口を閉ざす。


二人は怪訝そうに私を見た。



―ジジッ…ジジジジッ…

「………っ……痛っ…」


何……?
……声では無く音。


―ジジッ…ジッ…けて…


その音は徐々に声へと
変換されて行く。


―ジジッ助…ジジッ…けて…


助けて……
私に救いを求め、祈る声…


―助けて!!


「っ!!!!?」


それは突然声になり、映像を私に送る。


…大きな洋館…地下牢…
鎖に繋がれた…水晶……?



不思議な光景がそこには広がっていた。
まるで私を呼ぶように映像は繰り返される。