「・・・・・・・・・ただいまー」


何もない空間に

私は1人声を発した。


私の家は共働きで、父も母もアナウンサーをしている。


朝早くから出勤し、

ロケや仕事が多い日は帰ってこなかったりする。


いや、全然寂しくないんだけどね。


リビングに足を進め、私が真っ先に向かったのは


パソコン


電源スイッチを人差し指で優しく押してやると、


パソコンは規則的に起動し始める。

起動してデスクトップ画面が表示されるまでしばらく時間があるので


とりあえず重くて暑苦しい制服を脱ぎ始める。


ブレザー、靴下、スカート、Yシャツを決まった順番に脱いでいくと

Yシャツと靴下を洗濯機に放り込み、残りの衣類はハンガーにかける。


そして脱衣所にある大きなクローゼットを開け、

いつもの部屋着を取り出す。


もちろんデザインというより着心地重視。

今日の部屋着はパイル地でできている白地に水色の水玉模様。


洗面台に立ち、鏡と向き合うと


おもむろにコンタクトを取り外し、ゴミ箱に捨てる。


「・・・確か今日は2週間目だったはず」


横にかけてあるカレンダーを見ると

赤ペンを持ち

今日の日付に×印を付ける。


「・・・・・・よし。」