「 ホントだ! そう思ったらちょっと痛かったかも・・・。」
肘の少し上の方、確かに切り傷が一つあった。
結構深くて、気づかなかった事を今更かもしれないけど不思議に思う。
「バカかお前は。 痛くねーの?」
「うん。 痛い・・・」
怪我してるのに気づいたら急に痛くなった。
何でか知らないけど、安曇野君の顔が明良くんと絵里といたときより
柔らかくなった気がする。
そう思ってたら、なんだか怒ったような顔になるし、
「ホントにバカ。痛いなら言えよ。」
「し、仕方ないでしょ!今の今まで気がつかなかったんだから!!。」
思わずおっきい声出しちゃった。
周りの視線が痛いなぁー。
でも、安曇野君の視線の方がもっと痛い。
「なんでそんな目で見られないといけないの?あたし何にもしてないと
思うけど。」
「なんなんだよ、その態度。こっちは心配してやってやってんのに。」
なにそれ、なんか結構な上から目線ですけど?
心配してくれるのはうれしいかもしれないけど、なんだか
「むかつくぅー。」
「は?何言ってんだよ。むかつくのはこっちだよ!」
「どっ、どうしてそんなに怒鳴られないといけないの!
関係ないでしょ!あたしがけがしてても!安曇野君には関係ないよ!!」
「お前はそうかもしれねーけど、俺がほっとけないんだよ!!」
「・・・・なに、それ?」
