明良サイド


夢みとった。


中学入ったばっかの俺ら3人、その周りにおんのがクラスメイト。
全員奏太を毛嫌いしとった、あん頃の夢。

(見たない!!  あんな奏太の顔・・・  もう、絶対見たない!!!!)


ガバッ!!

はぁはぁはぁ・・・・  せやな、夢やんな。


身体起こしておでこ触って、

「めっさ冷や汗かいてるやん。」

せやけど、ほんまにもう見たないねん。
一人ぼっちで寂しいはずやのに、誰とも話そーとせんと、
今にも泣きそうな顔してた、 あん時の奏太は。

隣で気持ちよさそーに寝っ転がってる奏太からは想像できひんくらい、
“孤独”溺れてた時があってん。

あんな事があってんから、周りに気を許されへんのはよー分かる。
分かってんねん。このままやったらあかんって。俺も、凛矢も、
奏太も。

せやけど、変わらなあかんねん。 

ふと、奏太の寝顔をみる。確かにきれーな顔やとは思ってる。
性格はもっとええねん。

ちょっとした事でも気にかけて声かけてくれるとことか、勉強嫌いな
俺の為に、最後まで、俺が「分かった。」って言うまで根気よー教えてくれるんも
奏太ぐらいやで。凛矢も途中放棄や。

せやから、大丈夫や。
そんな奏太の事を、絶対好きになってくれるヤツがおるはずや。
せやから・・・・



もう、おらんくならんといてな。