「かなたー、入学早々モテモテやん。ずるいわぁ。」

さっきからずっとこんな感じ。


屋上のフェンスに寄っかかって、明良の文句を聞いている。

「いなもん知るかよ。むしろうっとうしい。」

興味なんかない。  見かけだけで判断するやつらばっかなんだから。

「ま~たかなたクンったら難しそうな顔しちゃって~。どうせまた
“見かけだけで判断するやつらなんて・・・” 
とか何とか考えてたんだろ??」

図星なだけにムカつく。

「ま~たそんなこと考えとったんかぁ?考えすぎやで。」

「明良に言われたかねー。」

ここは即答。
「ぷっっっっっ! そらーそうだわ。 俺でも明良に言われたらムカつくな。」

「だろ。」

こんな時だけ、妙に気が合う。
ま、明良はそれが気にくわなかったらしく、

「なんでやねん!!! 俺も凛矢とおんなじことしか言ってへんやん!
差別や!!仲間はずし反対や!!」

ぴーぴーぎゃーぎゃー。 マジで前世は鳥かもな。明良のヤツ。

「差別じゃなくて区別。」

「あっちゃんは、日本語のお勉強しないといけませんね~~」