「希美〜ッ、起きなさーい。もう朝ごはん出来てるのよー。」

今の声は、私の母の神野佳乃(カンノヨシノ)。

41歳の母は年のわりには童顔で、たまぁに姉妹に間違えられる。私としては、あんまり喜ばしい事じゃない。でも、横で嬉しそうに笑ってる母さんを見たら、なーんにも言えなくなるんだよねぇ。

「はぁーい。」


おっと…自分の世界に入り過ぎた。
こんなポーズとったりしたら、まるでグラビアじゃん。
入学式から遅刻はマズいよね。

私は鼻歌なんか歌いながらルンルン気分で階段を降りていった。