希美サイド


はーー、いきなりあんな事いっといて逃走なんて、あたしなにやってんだろー。
絶対変なヤツって思われてるよー。

まーでも、あの人にはもう会わないだろうし。関係ないよね。
よしっ!前向きにいこー!

「おーーーーーー!!!。」


「希美?あんた何やってんの?見てるこっちが恥ずかしい。」

後ろから盛大なため息とともに登場したのは、中学一年の時からの親友の
楓。
典型的な姉御肌で、困ってる時にはお母さんよりも頼りになる唯一の存在。
(ママ、ごめんね…)


「かえ!  えっ、いつからいたの??」

「あんたが一人でブツブツ言い出したくらいから。思ってる事をまんま口に出す癖
直さないとね。」


あたし、口に出して言ってたんだ………
悪い癖なんだよなーこれが。