希美サイド

出来る範囲でするって言っちゃったけど、なに言われるんだろ?
パシリにされる?それが楽といえば楽だけど。

「・・・・・。」
「・・・・・。」

なんだか気まずい雰囲気になってない?
これはあたしから話題を持ち出さないといけない感じなの??

「そんなこと考えてる暇があるならなんか話せよ。」
「あ、えへへへ。」
「バカか。」

うん、はい。
口に出てたのはもう触れないでおこうかな。

「ふ。なぁ、凛矢たちが言ってたアミューズメントフロアって
あれか?」

奏太君が向いてる方向にドームみたいな屋根の建物が見えてる。
聞いてるわけじゃないけど、周りにそれっぽい建物がないからあってる。たぶんだけど。

「そーみたいだね。じゃ急ごっか?かえや絵里も待ってるだろうから。」

一人でどんどん進んで行こうとしたあたしを呆れたような目をした
奏太くんが少し早歩きで追っかけてくる。

「たく、てめは迷子になりたいのかよ。建物は逃げねーよ。」


そう言って頭を少し小突いて、また手を繋いでくれた。
いけない、いけない。口角あがっちゃう・・・。ふふふ。