―――…


「ん…」

あれ…ここ…保健室…?
私…屋上に…

…思い出した…。

木村君に…止められちゃったんだ…。

あれ…?
誰がここまで運んでくれたの…?


「あ〜!よかったぁ!!シーちゃん、目ぇ覚ましたぁっ!泣」


「涼ちゃん…!」

この人は保健室の先生で名前は涼子ちゃん、私の事を理解してくれる唯一の人。

「あ…後で木村君にお礼言いなね…?」

「えっ…どうして?」


「だってここまでシーちゃんを連れてきたの…木村君だもの」


あの時、木村君は泣いていた…。




わからない…
木村君がわからないよ…
あの時…どうして泣いていたの…?
私が死ぬの嬉しいんじゃなかったの…?


優くん…どうすればいいのかわからないよ…


…あれ…?


無意識にもある事に気がついた。


「指輪が…ない…っ…」