「何処だここ・・・」

祐は目を覚ました。
目を開けたとたん絶句した。

「何これ・・・」
 祐の周りは 水だった。
 水 どころじゃない
 海だ。

祐は島のような場所で
ぐっすり寝ていたようだ。
島といっても 全長30m弱
波は緩やか 空は快晴だ。

祐は自分の真上に妙な空間を見つけた。
確認しようと目を凝らした。
形としてはマンホールの穴ぐらい
なぜか夕焼け空が見える。

「なるほど、僕は神隠しにあったのか。」

祐は状況把握が早いほうだった。

 「これからどうしよう。」

食べ物はあるのか。
武達はどうしているのか。

この二つが気がかりだ。

とりあえず海のような場所に魚がいるか、
飲めるのかを確認した。

魚の姿は確認できなかったが草が生えていたので
害はないだろうと判断し、水を舐めてみたら
塩気が無かった。

海では無いようだ。

どうしたいいのか分からないので
頭を冷やす為に湖に入ろうとした。

そのとき

【パシャッ・・・パシャッ・・・】

何かが近づいてきた。 
よく見たらクロールで泳いでいる。
 ・・・人か?

「あのー すいませーん」

とりあえず声をかけてみた。
 が 返事は無い。

何度も声をかけてみたが返事は無い。

それ は人ではなかった。
 皮膚は緑色で 背びれが付いている
 半漁人か何かだろうか。
 何するか分からないので身構えていると

〈お前は何者だ。〉

頭の中で日本語が聞こえてくる。

〈お前は何者だ。〉