―朝、いつも通り学校へ向かう。

葉月は後から行く、と言っていたくらいだから恐らく…


ドンッ


「よぉ、ユウマ」

「!?…タ、タク…」

「昨日ぶりだなぁ、昨日さっさとトンズラしやがって」


ぶつかった相手は森林タク。

僕をいじめる、ボス的な存在のやつだ。


「今日は、な、なんのよう…だ…?」

「あぁ?」


タクが口を開いたその瞬間、



「……ユウマ、おはよう」



聞きなれた声が耳に届いた。


「え?は、葉月…」

「なんだよ知り合いかよ?可愛いじゃねぇか」

「ユウマ、行こう」


去りかけた葉月の肩をタクが掴んだ。


「そんな地味な男放っておいたほうがいいんじゃねぇ?」

「…私、貴方みたいにつまんない男嫌い。」

その言葉が気に障ったらしい。

タクは顔をまるきり真っ赤にして去っていた。