涙のスイッチ

私服に着替えた迪也くんが走って来てくれた。


「美和!思ったより早かったな?…って、ソイツ、誰?」


「あのね、えっと…」


「オレ、鎌田 旭。美和ちゃんのカレシ候補」


「───!?」


はぁ!?


何ソレ!?


「で、何の用でここまで来てんの?」


「ただ美和ちゃんの友人関係の偵察。オレ、アンタに勝つつもり。美和ちゃん、もらうよ?」


「美和はモノじゃない」


「大事にしちゃってるのはわかるけどさー、こういうのって、ある意味、早いモン勝ちじゃん?ゆっくり時間かけてお友達から、なんて間に合わないぜ?ま、いいや。どんなヤツか見たかっただけだし、今日のところはオレ、帰るな。美和ちゃん、明日学校でねっ!」


旭くんはあたしに耳打ちして軽い足取りで、元来た道を帰って行った。


「ヒ・ト・メ・ボ・レ」


そう言って。