涙のスイッチ

翌日。


「何着てこう…」


スーツケースをひっくり返すも、出てくるのは飾りっ気のない地味な服ばかり。


…って。


あたし、なんで着ていく服、迷ったりしてるんだろ…。


迪也くんにはバッグを返してもらって、コートを渡すだけ。


溜め息をつきながらジーパンにレースのついた若草色のロングTシャツを着て、午後1時を待ってるんだけど…。


落ち着かない。


何だろ、このせわしなく動く心臓。


あたし、まだ熱でもあるのかな…。


計ってみてもあたしの体温は、平熱。


じゃ、なんで???