涙のスイッチ

───ポン


不意にあたしの頭に降った温かい手。


見上げると。


「…迪也、くん…?」


「美和」


「どうして…どうしてここにいるの…?」


「3日前、ばあちゃんが階段から落ちて骨折。見舞いがてら、部活休んで帰って来てた」


「そっか…」


迪也くんがあたしの隣に座る。


日焼けしてまた逞しくなった迪也くんの手は、あたしの頭に乗ったままで。


今、ジョンに言った事をそのまま告げたいのに。


流れる涙を止められない。


なぜならあたしに降った迪也くんの手は、涙のスイッチだから。