一度は決心したはずだった。


迪也くんには迪也くんの選んだ道を、って。


歩くべき道は違うんだ、って。


でもいつからか想いが強過ぎて、同じ道を歩けるんじゃないか、って、錯覚してた。


迪也くんが優しいから。


迪也くんが手を引いてくれるから。


あたし。


バカだよ…。


迪也くんは何のために東京の学校まで来たの?


あたしのためじゃない、野球のために推薦で来た学校。


ケガもできない、チームに学校に貢献しなきゃならない、いずれはプロにだってなるかもしれない人。


そんな人にあたしが関わっちゃ。


…いけなかったんだ。


部屋にこもり、1人で泣いた。


寒くて。


ココロが寒くて仕方がなかった。